あらすじと感想の中編です。若干、ネタバレ含みますのでご注意ください。
池田理代子 「ベルサイユのばら」
#ベルサイユのくり #ベルサイユのばら #池田理代子 pic.twitter.com/VNkabDcAKF— 川蝉☆奇蹟の月 (@kawasemi_11) 2018年9月10日
目次
ベルサイユのばらあらすじと感想(中篇)
<主な登場人物>
マリーアントワネット:オーストリア皇女、後のフランス王妃
王太子殿下:フランスの王太子、後のルイ16世
ルイ15世:ルイ16世の祖父
フェルゼン:スウェーデン貴族。マリーアントワネットと運命的な恋に落ちる。
オスカル:フランス貴族の家ジャルジュ家に生まれる。
アンドレ:ジャルジュ家に仕えるばあやの孫。オスカルとは幼なじみ。後に恋人になる。
ロザリー:身売りをしようとするところをオスカルに拾われる。
ジャンヌ:ロザリーの姉。野心家。
~主な出来事~
・黒い騎士が貴族の邸を襲い、オスカルとアンドレは逮捕に奔走する。
・ロザリーがベルナール(実は黒い騎士)に嫁入りする。
・オスカルが近衛隊を辞め、フランス衛兵隊へ就任。
・ジェロデールがオスカルに求婚する。
・衛兵隊に民衆を制するためにパリ出動命令が下る。
・パリで始めて3部会(僧侶・貴族・平民からなる)が開かれる。
あらすじ
ベルサイユでは黒い騎士が貴族の邸ばかりを襲い金品を強奪する事件が発生していました。オスカルは黒い騎士の逮捕に成功しますが、このとき一緒だったアンドレは右目の視力を失ってしまいます。
黒い騎士の正体は新聞記者のベルナール。社会の貧困に義憤を感じ行った行為に対して、オスカルは傷の手当をした後、釈放します。このとき、回復の世話をやいていたロザリーはベルナールの元に嫁ぐことになりジョルジュ家を去ります。
ベルナールの訴えでパリ民衆の悲惨な状態を知り、オスカルは王宮付きの近衛隊を辞め、あえて衛兵隊を志願します。貧困に荒んだ部下と格闘し、部隊からの厚い信頼を寄せられるようになります。
このとき、ジャルジェ将軍はオスカルに近衛隊にいた時の元部下、ジェローデルとの結婚話を持ちかけます。彼は最初からオスカルを女性として見つめていたと告白します。
いきなり、女になって跡継ぎを産めという無茶振りをする父親に憤りを感じ、ジェローデルを突っぱねるオスカル。また、オスカルが誰かのものになってしまうと動揺するアンドレ。思わず、オスカルは母親に辛い心境を打ち明けます。
「娘であるオスカルに戦いではなく女性として平和な家庭をもってほしい、男性としての人生を強いたことを悔いる父の親心」だと聞かされます。
一方、思い詰めたアンドレは、オスカルと無理心中を図りますが、過去に誤ってマリーアントワネットに怪我を負わせてしまった過失から、死刑なるところをオスカルに救われたことを思い出し、毒殺を思い留まります。
アンドレの強い想いを知り、オスカルはジェローデルの想いに応えられないと伝えます。「アンドレが不幸になれば、私も不幸になる。」と求婚を断る理由を真摯に告げ、納得したジェローデルは愛する人の不幸は我が身の不幸と身を引きます。
1789年5月5日。僧侶・貴族・平民からなる三部会が開かれますが、国王と貴族、平民の対立は激化し、革命への火蓋が切られていきます。特に平民のマリーアントワネットへの憎悪は大きくなっていきます。
そして7月13日、オスカルの衛兵隊にパリ出動命令が降ります。オスカルは暴徒に襲われた際に「私のアンドレ」と叫んだことで、初めてアンドレへの愛を自覚します。そして、パリへの出動前夜、永遠の愛を誓い2人はようやく結ばれます。
感想
物語の中盤は、オスカルがアンドレへの愛の自覚と、貴族を捨てフランス市民として生きることを選択するまでのプロセスを中心に描かれています。
前半はアントワネットとフェルゼンが主役でしたが、中盤は完全にオスカルですね!オスカルファンにはたまりません。
しかも、黒い騎士との出会い、ロザリーとの別れ、ジェロデールとの結婚話、アンドレとの衛兵隊のパリへの出動など、怒涛の事件が次々と発生し、一気に読みできる面白さです。
思えば、黒い騎士(後のロザリーの夫ベルナール)との出会いが、オスカルの運命を大きくかえるきっかけでしたね。オスカルは庶民の悲惨な生活を知り、貴族の身分に懐疑心を持つようになり、これが後のフランス革命への参加へ発展していくからです。
偉大なジョルジュ将軍の箱入り娘だったオスカルが、自我と思想を持った大人の女性へ変貌し、自ら愛するアンドレと共に生きていくことを決心する姿は感動的です!
オスカルの人気は、強くりりしい面と人間的な悩みや弱さを合わせもつリアリティさに、当時の女性たち(少女を含めて)はメチャクチャ惹きつけられたのだと思います。
ちなみに、この時期のオスカルの絵柄は美しさが際立っていて、池田理代子先生の描く登場人物の中でも自分は一番好きですね。
そして、オスカルと無理心中を図ろうとするまで思いつめてしまったアンドレ・・・現代だと「ストーカー」扱いになっちゃいますが、そこは健気なアンドレのキャラで許されてしまいます。
なので、ようやくオスカルと両思いになったアンドレに本当に良かったね、と心から想いました。でも、アンドレと結ばれるシーンは、小学生の自分にはちょっとハードルが高かったですね。友達とも、このシーンの話題だけは恥ずかしくて避けてました。(笑)
今日はパリ祭🇫🇷
ベルばら三ヶ日も終わります。。。
226年の時を経て・・・🍷🍷#フランス革命 #ベルサイユのばら #オスカルとアンドレ pic.twitter.com/Ce03trT07d— ケイト@derTOD♪ (@Cathelinejp) 2015年7月14日
今の過激な少女マンガから比べると、全く問題ないレベルなのですけどね。
一方、宮廷は三部会を境にどんどん弱体化し、ルイ16世とマリーアントワネットの世に陰りが見え始め、平民議員を抑え民衆の暴動に備えるために、宮廷からオスカルの所属する衛兵隊にパリ出動命令が降ります。
いよいよ、物語は後半クライマックスへ!