3月のライオンの作中で最強の棋士「宗谷冬司」と零はいよいよ対決することになりました。
ラスボスとも言われる天才棋士宗谷と、同じく天才の片鱗を見せる零との戦いの結末は?
この記事では記念対局での二人の対決と、明らかになった宗谷の秘密を中心にご紹介します。
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目次
3月のライオン 宗谷冬司(そうやとうじ)とは?
#豊島棋聖 誕生! 嬉しいですね。 #宗谷名人 そっくりの豊島新棋聖の活躍を期待しています。 #棋聖戦 #3月のライオン pic.twitter.com/cm78Hm7o0f
— さんがくのらいうん@藤井聡太七段→タイトルホルダーへの道 (@Near_Show_Gee) 2018年7月17日
対決の事を紹介する前に、宗谷冬司とは一体どんな人物なのかご紹介します。
不要な場合には飛ばして「3月のライオン 零と宗谷の対決(ネタバレ)」からお読みください。
最年少名人就任、史上初全体タイトル制覇など、数々の記録を塗り替えてきた天才棋士です。
年齢は30歳代後半。同年代には、同期の島田開八段や隈倉健吾九段がいます。
零と同様、中学生でプロになってからは史上最年少の名人かつ、七冠独占という前人未踏の偉業を達成しています。
現在の記録もすさまじく、獅子王・棋神・聖竜・玉将のタイトルを獲得し、 名人戦は6連覇で通算12期、玉将戦は5連覇を記録しています。
戦い方は変幻自在のオールラウンダーで、彼の最も好きなのは、相手の得意な戦法で勝負することを好みます。
弱点が見つけづらい「神」とも「悪魔」とも呼ばれ畏怖されています。
性格は天然、中身は子供?
言動や行動が天然なことから、「不思議ちゃん」と呼ばれています。例えば、ワインが洋服にかかって汚れてしまったのにも関わらずインタビューを続けたり、会長に注意されているのに、お菓子をボロボロ机に落としてしまったりします。
ちなみに、容姿も30代とは思えないほどいつまでも若々しく全く変っていません。確かに外見の変らない人って結構、現実でもいますよね。
将棋が得意な少年がそのまま大きくなり、中身も子供のままのようなところがあります。
これらを裏付けるエピソードが、3月のライオン 13巻の「宗谷と二階堂の対戦シーン」です。
この対戦で、二階堂はあと一歩のところで勝てるまで宗谷を追い詰めますが、体調を崩して倒れてしまいます。その後、二階堂の病床に宗谷からの封筒が届きます。
その内容は、二階堂が勝つと思われた対局を、宗谷が逆転で積ませた棋譜が書かれていました。
つまり、「勝ったのは俺の方だから勘違いしないでね。せっかくの名局になったのに台無しにした」ということです。
⇒3月のライオン 13巻の「宗谷と二階堂の対戦シーン」のあらすじと感想
少々大人気ないですが、負けず嫌いの子供の一面が見えてきて、天才が一挙に身近に感じられますね。
零から見た印象
「幼い頃、家の庭に迷い込んだ大きな翼の白い鳥に似ている」
「将棋の神様」
零から見た印象は、もはや人間ですらなく、神話の中に出てくる人物のような印象を持っていますね。他の棋士とは明らかに別格の扱いです。
宗谷のモデルは誰?
モデルは将棋界の実績から「羽生善治」が思いつくところですよね。
何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。#羽生善治(将棋棋士) pic.twitter.com/2DLSCCCqVh
— オルガノンで笑う猫 (@Organum_cat) 2019年1月25日
しかし、3月のライオンの監修兼コラムを担当するプロ棋士、先崎学八段のコメントによると、以外にも「羽生善治と谷川浩司を足して2で割っていないキャラクター」だそうです。
本日4/6は、谷川浩司九段のお誕生日です。おめでとうございます!
【谷川九段Q&A①】
Q座右の銘→歩々是道場(ほほこれどうじょう)
Q好きな季節→春。新年度、誕生日、桜。これで花粉症さえなければ最高ですが
Q会ってみたい有名人→大谷翔平選手#関西棋士誕生日 pic.twitter.com/wNCMDkhFky— 関西将棋会館【公式】 (@shogi_osaka) 2018年4月6日
原作者の羽海野チカさんは、実在の人物や出会ってきた人をベースに緻密な人物設定を行い、個性的なキャラクターを作ることで有名です。
なので、完全オリジナルキャラということになりますね。
宗谷が対戦した相手と結果
作中で宗谷が対戦した相手と結果です。(零との対局は除いています)
対局名 (巻数) |
対戦 相手 |
対戦結果 |
獅子王戦第四局 (コミック4巻) |
島田 開 |
勝者:宗谷冬司 (4戦全勝) |
名人戦第七局 (コミック5巻) |
隈倉 健吾 |
勝者:宗谷冬司 (通算11期名人防衛達成) |
名人戦第七局 (コミック9巻) |
土橋 健司 |
勝者:宗谷冬司 (通算11期名人防衛達成) |
東洋オープン (コミック13巻) |
二階堂 晴信 |
勝者:宗谷冬司 (不戦勝で優勝) |
もう、ぶっちぎりで勝ちまくっているのが気持ちいいですね!ラスボスに相応しい勝ち方です。
最初に宗谷を倒すのは、零、二階堂、島田の誰になるかワクワクします。
3月のライオン 零と宗谷の対決
※8巻のネタバレ含みます。
第43回新人戦の記念対局において、いよいよ宗谷と零が対決することになりました。
本来ならば、B級所属の零と宗谷の対戦は通常ありえませんが、零が新人戦のタイトルを取ったことで実現しました。
しかも、取材陣も入れてポスターも派手に大々的にとりおこなう様子。零は”宗谷”と対戦できると聞いただけで、全身が粟立ち、夢見心地になります。
神宮寺会長は、「ぶっちゃけて言うと、新人王を獲った人間はその後名人になるケースが多い。その上、零は宗谷に続く史上5人目の中学生プロ棋士。」と期待をこめて零のことを”将来の名人”と呼びます。
新人戦前夜祭の出来事
前夜祭に出席するため、前日に対戦場所の盛岡のホテルに到着した零。神宮寺会長に主役級の扱いで、立派で広い部屋に案内されて落ち着きません。
その夜、前夜祭が始まりたくさんの人や報道陣のフラッシュの中、スピーチが続きます。
お辞儀のしすぎで頭がくらくらする中、宗谷名人はこれが日常で、ずっとこの世界に一人で立っていることに思いを寄せます。
報道陣から宗谷と零に対してインタビューが行なわれた時、ちょっとしたアクシデントが発生します。
インタビューを切り上げて宗谷が去ろうとしたその時、ウェイトレスが持ってきた赤ワインが宗谷の胸にあたり、背広が思いっきり汚れてしまいます。
「宗谷さん、あの、服が」という声がけに、動揺することもなく、なぜか唐突にインタビューの続きを話し始める宗谷。
その場にいた誰もが息をのみます。
そこに神宮寺会長が慌ててフォローし彼を退場させます。
誰ともなく、ポツリと「あれはもう将棋の鬼だ。ギリギリ、人の姿を保っているだけの」とつぶやきます。
その場の空気など一切読まない超マイペースに見える宗谷名人ですが、実はある重大な秘密を抱えていました。
宗谷名人と零の対戦
翌朝、宗谷は先輩棋士の着物を借りて登場します。
緊張する零。”力の差は歴然とあるのは解りきっているが、「勝つため」以外の心で飛び込むと、一瞬で首をふっとばされる。”と自分に言い聞かせます。
初手合わせということから、宗谷は「もしもしあなたは誰ですか?」と問いかけるように駒を動かしていきます。
対局が進むにつれ、宗谷は楽しんでいる表情が見られるようになります。そして、零も将棋を指している間、宗谷と2人で真っ白い中にいるような研ぎ澄まされた不思議な感覚があり、心地よさを感じます。
しかし、力の差ははっきりとしており、痛恨の七四歩を指してしまい、零は宗谷名人に敗れます。
負けたにも関わらず、体が疲れておらず気持ちが全く重くない初めての感じを零は不思議に思います。
試合の後の感想戦では、2人はひと言も言葉を交わさず、かすかなうなずきで応える宗谷名人。
宗谷名人と零は雰囲気や棋風に共通点があり、言葉にしなくても通じる何かを感じているのではないでしょうか?
そして、宗谷と戦っているときは、静かで明るくて何もこわくない所にいた、こんな感覚を持てた零自身がびっくりしています。
3月のライオン 宗谷の秘密が明らかに!
帰りの新幹線が仙台駅に入ったところで、台風の影響で突然動かなくなります。
運行を見合わせるアナウンスが車中に流れ、零は電車を降りようとしたとき、席で寝ている宗谷名人を見つけます。
声をかけて宗谷を起こし、電車が動かないことやチケットの払い戻し、今晩泊まる場所の確保など話します。
しかし、宗谷の何も届いていないかの表情に、零の胸はざわざわと騒ぎだします。
「この人の中に音が無いのだ。いつからか解らない。この人の耳には、もう何も届いていないのだ」
宗谷の耳が聴こえない事情を察した零は、放ってはおけないと手を引いて歩き出します。
何とか泊まるホテルを確保して到着した二人。外は嵐でどしゃぶりです。
各々、ホテルの部屋に入る前、宗谷は零にひと言、「ありがとう。たすかった」と礼をいいます。
零が部屋に入って休んでいると、神宮寺会長から携帯に電話が入ります。
宗谷と一緒にホテルに泊まったことを報告したとき、神宮寺会長は「お前と一緒にいるということは、聴こえてないんだな」と確認します。
そして神宮寺会長から次のような宗谷の状況を聞いて驚きます。
- 10年前から聴こえると聴こえないを繰り返していること。
- 医者に行っても原因不明で「ストレス」と繰り返すばかり。今では医者にも行かず「静かで面倒くさくなくてよい」と言い出している。
- 隠す気はないが、不利な部分がなくもないから黙っておくように言っている。
神宮寺会長は、こんな事情を抱える宗谷を零が拾ってくれたことに感謝し、2人の対局が普通に意思の疎通が図れていて面白い対局だったことを伝えます。
翌朝、零が起きてフロントに行くと、すでに宗谷が2人分の会計を支払い去っていたことを知ります。
外は台風一過で青い空が広がっており、零は、昨日の雨の中、2人で一緒に歩いたことが夢の中の出来ことのように思います。
3月のライオン 零と宗谷がついに対決!のまとめ
宗谷というラスボスと零の初対決は、どこまで零が食い下がるのかなどと、激しい戦いを想像していました。
しかし、ふたを開けてみると、将棋を指す音だけが聞こえる、むしろ穏やかで静かな戦いでしたね。
激しい戦いは、コミック13巻での二階堂と宗谷の試合のほうが上だったと思います。
これは想像ですが、宗谷と零の将棋への世界観は同じで、だからこそ雑音の無い静かな境地で戦うことができたのではないでしょうか?
そして、今回は宗谷名人の大きな秘密が明らかになりました。
何ら欠けるところのない完璧に見える将棋の天才は、同時に、苦難を抱えている人でもありました。
成長していく零が、この宗谷名人にどう戦っていくのか、早く見てみたいものですね!